ミドルボイスについて。
ミドルボイスとは、ヘッドボイスとチェストボイスの間に位置する声区であり、
声帯の使い方としては真ん中あたりの領域を使う。
共鳴においては口腔、つまり真ん中あたりの響きを使うため、
上下の共鳴が「ある程度自然に混ざりやすい」という特性がある。
多くの人の場合、普段話している声がこれにあたり、
人間の発声として一番扱いやすい種類といえるだろう。
声を張ればヘッドボイスの領域までは届かなくともある程度響き、
声を小さくしても口腔共鳴である程度響いて聞こえるのである。
また、多くの人はチェストボイスの延長でミドルボイスと混ざっている人が多いので、
口腔共鳴と咽頭共鳴によりある程度響き、言葉がつぶれることもなく、
力強い声になることが多く、囁いた声でもある程度聞きやすい。
前述したが、ミドルボイスはチェストとヘッドが混ざりやすく、
普段話している声でもあるので、演技においても汎用性が高いだろう。
歌唱においても同様で、一番出しやすい声である。が、上下に「自然に繋がる」程度で、
大きく広がっているわけではないので、拡張しなければ、
幅広い音域での歌唱には耐えられず、また舞台上の演技においても響きと通りが悪く、
あくまで「普段の声」というのが理解して頂けるのではないだろうか。
それでも「普段の声」なので日常の演技にリアリティを持たせやすく、
自分の声域にあった楽曲であれば歌唱しやすいというメリットもあり、
一概に「ミドルボイスだけでは足りない」とはいえない。
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